体内から取り出した卵子は、液体窒素の中で凍結して保存します。
卵子凍結保存には「ガラス化法」と呼ばれる技術が最も適しています。この技術は、卵子を凍結させる時、氷
の結晶構造ではなく、ガラスの結晶構造を作る保存液を用います。
処方:
1 - 胚凍結保存を避けるために
卵子を採取する時は、一度に3~5個以上を取り出しますが、体外受精のために全てが使用されるとは限りません。そ
の場合、将来の妊娠のために保存しておくことができます。
また、胚凍結保存とは違い、哲学、倫理、宗教上の規則などの問題に触れることがありません。
多胎妊娠に歯止めをかけることもできます。
2 - 病気治療のために薬物治療や放射線治療が必要な人は、将来の妊娠のために卵子を保護することができます。
3 - 親戚の中で早い時期に閉経を迎えた人がいる場合や、自身で閉経の兆しが見られるような場合、将来の妊娠に
備えて卵子を保存できます。
4 - 35歳以上になって妊娠を希望される場合
一般に35歳までが自然妊娠に適しています。しかし、35歳までに妊娠しない場合や、35歳以降に妊娠を望ま
れる場合は、卵子凍結保存を選択することができます。
卵子凍結保存は「妊娠の保険」と表現され、メディアなどでは報じられています。
5 - 卵子バンク
体外受精で妊娠した後、取り出した卵子で使われなかった卵子は、他の不妊症の夫婦に提供することができます。
患者:
A ) 排卵障害がある場合や卵巣がんなどで卵巣を摘出した方
B) 早期に閉経を迎えた方
C) 薬物治療や放射線治療を受けられる方
先駆け:
2007年に卵子凍結保存によるはじめての赤ちゃんが誕生して以来、フェルチクリンでは何人もの赤ちゃんが生
まれています。ブラジルでは革新的な技術による誕生です。
革新:
卵子凍結保存は1990年代以降行われてきました。しかし、胚凍結と同じ技術が使われ卵子凍結には適
さず、その成功率は低いものでした。
「ガラス化法」という革新的な技術が現れ、その中で2006年以降、クライオトップ法という技術が、凍結卵
子からの高い妊娠率を示しました。
科学的な備考:
凍結という言葉は暗に水を氷にすることをイメージしますが、卵子凍結保存は氷の結晶構造を作り
ません。卵細胞の水分をガラスと同じ結晶構造を作る溶液に置き換え、卵子を凍結保存します。一般
には「凍結」と「解凍」という言葉が使われますが、科学的には「ガラス化」と「解ガラス化」というのが正確な表現です。
[+] 専門家が肥満女性は不妊治療を受けるべきでないと言う
英国社会では、母子の健康が最優先されるように勧告されています。
現代、産婦人科の医師たちは、女性の肥満症が不妊治療の妨げになるという見解を示しています。
英国産婦人科学会(BFI)の新しい勧告では、公私立病院における体外受精について、ボディマス指数(IBM値)が30以下の女性にのみ行われるべきであると、妊娠医療の専門家が示しています。
ボディマス指数は、肥満度を測る国際的な基準の数値で、体重と身長をもとに計算されます。
肥満症の専門家には、この勧告は差別的であると異議を唱える者もいます。しかし、英国産婦人科学会は新しい指針は母子健康のために理想的な基準であると言います。
「肥満症は女性が自然妊娠するチャンスを減らし、不妊治療の成功率も低下させる」と、英国産婦人科学会のTony Rutherford委員長は話します。
「体重が重いことは、不妊治療や妊娠期間のリスクが高まり、母子の健康に悪影響を及ぼす」とも強調しています。
前述の「リスク」の中には、卵巣を超音波で検査する際、肥満女性の場合は安全に麻酔がかけにくいということもあります。
産婦人科の専門医は、肥満女性は流産する危険性が高いことも指摘しています。
英国産婦人科学会の勧告は法律で定められたものではありませんが、専門家の間では通説となっています。
英国肥満フォーラムのColin Waine代表は、「心配なことではある」と言います。
「減量することは治療にもよい効果があり、女性は意識するべきではあるが、治療を禁じるのは差別である」と話します。
「体重に基づく治療に従いながら、肥満症の女性は治療の恩恵を受けられるべきである」と、Colin Waine代表は強調しています。
英国では、約25%の女性がIBM値が30以上となっています。
出典:BBC
[+]米国では8つ子の誕生が議論を巻き起こす
米国の妊娠医療の専門家は、ナディア・スールマンさんが8つ子を産んだケースが生殖補助医療に対する規制を揺るがしたと示唆しました。33歳のナディアさんはカリフォルニア州ベルフラワーのKaiser Permanente 医療センターで2009年1月26日に8つ子(男児6人、女児2人)を出産しました。
米国で8つ子が生まれたというニュースは当初歓迎ムードでしたが、ナディアさんがシングルマザーで失業中、母親と同居しており、既に6人の子供がいるということが明らかになり、世論で怒りの声が上がりました。ナディアさんの母アンジェラさんはロサンゼルス・タイムズに対し、
「娘は悪くありません。子供によって困惑させられています。彼女は子供を熱愛し、よくかわいがっています。ニュースは明らかに誇張されて報道されています」と話しています。ナディアさんは「もう一人女の子がほしい」と希望し、さらに胚移植することを決定しました。
8つ子の誕生は、多胎妊娠の問題や生まれてくる赤ちゃんの健康状態に関する高いリスクがあるということで、医療関係者には過小評価されており、様々な心配の声が上がりました。また、生殖補助医療に関する規制の問題が注目されるようになりました。米国生殖医学会のスポークスマンであるEleanor Nicollは、「間違った妊娠だった」とコメントし、生殖補助技術学会とともに生殖補助医療に対する規制強化の声が高まっています。
ナディアさんはどのように(医療機関を通じることなく)妊娠したかを明かしませんでした。Kaiser Permanente 医療センターは、妊娠には関与しなかったと発表しました。医師は一般に、実験室で作った胚を数個子宮に移植する体外受精や排卵を誘発させる人工授精を行います。いずれにしても使用する胚は2、3個で、最大4個までです。8個ということはありません。生殖補助医療の医師たちは、30歳以上の女性には様々な妊娠のリスクを避けるために2個以上の胚を移植しないように勧告しています。
出典:The Washington Post - Los Angeles
[+]不妊治療に新たな展望
2006年8月29日(火曜日)
卵子を急速冷凍するという新しい卵子凍結保存法が、不妊症の女性に妊娠するチャンスを増やすことになりました。
過去の方法と比べた新しい卵子凍結保存法の利点は、凍らせても氷の結晶構造を作らないため、卵子の中の水分が氷の結晶構造を作って膨張することなく、解凍後に細胞が壊れてしまうことがほとんどないということです。そのため、妊娠するチャンスが飛躍的に高まったということです。新しい卵子凍結保存法による解凍後の卵子の生存率は94.5%です。解凍後の卵子を使った体外受精による妊娠率は41.9%で、凍結保存しなかった卵子を用いた体外受精の妊娠率よりわずかに0.6%下回るのみです。その他にも、新しい卵子凍結保存では凍結胚で浮上する様々な問題(余剰胚のこと、社会における倫理や道徳など)に直面することがなくなりました。多胎妊娠も避けることができます。
東京の加藤レディースクリニックの桑山正成医師が率いる研究グループは、クライオトップ法と呼ばれる技術で「ガラス化液」を用い、卵子を凍結・解凍しました。卵子は凍結する前にガラス化液に浸し、その後、液体窒素に入れて凍らせます。冷却時間はほんの一瞬です。急速冷凍による卵子凍結保存法の最大の利点は、卵子がダメージを受けることなく、生きたまま凍結・解凍することができるということです。
生殖医学の専門家である『フェルチクリン』の中野英二医師は、「この技術は生殖医学の大きな前進です」と断言します。
「卵子凍結の大きな難題は、いつもその大きさと関連していました。精子は卵子よりもさらに小さくなります。卵子は凍らせる前に、一つの細胞から水分を取り除く必要があり、そのためにナトリウム塩に浸して水分を外に出すのが一般的でした」とマリアンジェラ・バダロッチ医師(リオグランデ・ド・スル州カトリック大学婦人科学教授、Fertilotat代表)は話します。
「問題は、小さな卵子から水分を除くために長い時間ナトリウム塩に浸す必要があり、それが卵子に損傷を与えることです」と、マリアンジェラ医師は時間をかけて凍らせることが卵子凍結の成功率を高めていたとも話します。
「ナトリウム塩がガラス化液に代わり、この方法による卵子凍結保存は急速冷凍が可能で、解凍後も90%の生存率を示しています」と、マリアンジェラ医師は断言します。
新しい卵子凍結保存法によってすでに13人の子供が誕生しました。この方法で妊娠した女性の多くは、卵巣ガンなどで治療後は妊娠ができないというケースでした。そして、ガン治療の後でも妊娠できるように卵子を凍結保存しました。
中野英二医師は、「ガンなどの病気以外にも、仕事のキャリアを積むために妊娠を後回しにしようとする女性が卵子凍結保存を希望するという新しい傾向があります」と説明します。女性の場合、35歳を過ぎると妊娠率が急激に下降していくという問題があります。凍結した卵子があれば、妊娠したい時に体外受精することができます。中野医師によると、クライオトップ法は今年末までにブラジルの各クリニックでも導入される見通しだということです。
凍結卵子から生まれた子供はまだ少ないということも頭の片隅に入れておくことも大切です。動物実験では問題は出ていませんが、あまり多くのデータはありません。2006年現在、世界各国で約150人の子供が凍結卵子から生まれており、ブラジルでは約20人が誕生しています。
出典: O Estado de São Paulo紙